潜航

二ノ宮江梨香さんの作品をご紹介します。

「潜航」 アクリル

 

真正面から捉えたシンメトリー構図というこれ以上ないと言うほどどっしりとした構成でこちらに向かってくるクジラの巨大さや迫力を表しています。そして、もう一つ特徴的なのが背から伸びる光り輝く物体。植物の葉脈のようなイメージも感じさせます。この器官で光合成を行い、体内に酸素を取り入れるクジラを二ノ宮さんはデザインされました。翼のように大きくはばたかせながら太陽の光を受け呼吸を行い、これから深い海の底を目指そうとしている場面です。

とても幻想的な世界です。白から群青への色の変化がとても美しく、特に支持体の白地を利用して出した透明感が魅力的です。鑑賞者も一緒に深い青の中に吸い込まれていきそうな作品です。