善根(ぜんごん)

蓮乗院一雲先生の作品をご紹介します。

善根(ぜんごん) 油彩 1999年作

 

地蔵十輪経という経典に「よく善根を生ずることは大地の徳のごとし」とあります。これは地蔵は地獄へ赴き人々を救済することを指し、地蔵の本願のようなものです。赤ちゃんのお地蔵様がそのお経をそらんじている場面です。菩薩の形態の細かい設定は不明ですが、赤ちゃんのお地蔵様というアイデアがステキです。これから立派な菩薩へ成長して人々を救済するために目下修行中といったところでしょうか。白からグレーで統一された世界からは赤ちゃんお地蔵様の神聖さと、これから臨む救済への覚悟が感じられます。