受賞おめでとうございます!

濱田恭華さんが第64回新協美術展にて小品部門優秀賞を獲得されました。

「漆黒の饗宴」 油彩 F15号

 

 複数のビンや花器をモチーフにした静物画です。全て同じ素材、しかも似たような色や形の集まりで、配置の妙によるリズム感を画面上で表しています。やや平面的な横並びの中に、細微なレベルでのビン同士の前後や重なりなど、試行錯誤の結果が感じられます。とても緊張感のある空間ができていると思います。どのような配置で絵を成り立たせるかがこの絵の重要なポイントだったと言えるでしょう。

もう一つ、この絵を纏め上げている中央の赤い花器に注目すべきです。「漆黒の饗宴」というタイトルとは逆に、ど真ん中に赤を持ってくるのは意外ですが、”黒い人々が集まって赤い円卓を囲み、何かの催しを行っている”という擬人化のメッセージと考えれば、タイトルの意味を理解できるかも知れません。外見としては静物画ですが、内容としては人の輪を象徴させる作品とも思えます。受賞おめでとうございました!

 


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コメント: 2
  • #1

    亜空琵 (火曜日, 19 10月 2021 17:49)

    恭華さんおめでとうございます。魅力的な作品です。瓶の質感が心地良いです。壁の模様と深い陰影の効果で情熱的物語の一場面を観ているような気持ちにさせられます。

  • #2

    大森結貴 (金曜日, 22 10月 2021 17:49)

    壁も描きこまれていますが邪魔になっておらず、非常に心地よいですね。素晴らしい作品だと思います。